
宮古島 通り池
伊良部島から下地島へと続く道の先に、石灰岩の高台にぽっかりと開いた二つの巨大な穴。上から見ると“龍の目”のように光る深い青、その地下では海とつながる池が静かに息づきます。潮の満ち引きで刻一刻と色を変えるその姿は、まるで自然が描いた幻想的な絵画。2006年には国の天然記念物にも指定され、今では地上からも海からも楽しめる特別なスポットです。
■ パワースポットとしての「通り池」
ここには昔から言い伝えが残っていて、「龍が棲む池」や「人魚伝説」など、地元の人たちにとっても特別な場所なんだとか。
そう言われると、どこかピリッとした空気を感じる気がします。神聖で、軽い気持ちで近づいてはいけないような、それでいて「ようこそ」と包み込んでくれるような不思議な感覚。
■ 通り池が“色を変える”理由とは?
訪れる時間や天気によって、通り池の水面は驚くほど色を変えます。
私が訪れた日は、午前中は濃い青、昼にはエメラルドグリーンに近い色合いに。なぜこんな変化が起きるのでしょう?
実はこの池、外海と地下でつながっていて、海水と淡水が混ざり合っているんです。
これによって、水の中には温度や塩分の異なる層ができるのですが、その層が光の反射や吸収の仕方を変えて、時間や角度によって色が変化するんですね。
さらに、海の潮の満ち引きが池の中に直接影響しているため、水の高さや透明度も刻々と変化。
朝と午後、晴天と曇り、夏と冬——見るタイミングが違えば、まるで別の場所のような表情を見せてくれるんです。
ダイバーたちはこの現象を「サーモクライン(温度躍層)」や「ハロクライン(塩分の境界)」と呼び、池の中でもその層が見えることがあるほど。地上からはその一部を“色の変化”として体感できる、まさに自然のマジックです。
■色がきれいに見えるおすすめタイミング
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晴れた日の10時〜14時ごろ:太陽光が真上から差し込み、もっともクリアで鮮やかな色が見えます。
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風が少ない日:水面が静かで鏡のように反射し、美しいグラデーションが観察しやすいです。
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干潮・満潮の変わり目:水の流れが変化し、色も刻一刻と移り変わります。
「さっきと色が違う気がする」「深くなったように見える」
通り池ではそんな“変化”が常に起こっています。
まるで自然が息づいているかのようなこの池の表情に、思わず時間を忘れてしまいます。
アクセス・観光のポイント
宮古空港から車で約30分、下地島空港からなら10分ほどでアクセス可能。
駐車場もあり、そこから整備された遊歩道を5分ほど歩けば、すぐに通り池に出会えます。
歩道は比較的なだらかなので、お子さん連れや年配の方でも安心です。展望スペースにはベンチもあり、しばらく座って景色を眺めるのもおすすめ。